クローン病(CD)

  • HOME>
  • クローン病(CD)

専門医として考えるクローン病治療について

クローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)は、腸の免疫異常が原因と考えられていますが、まだ解明されていない点も多く、現在は治癒を目指す治療法はありません。そのため、治療の主な目的は「生活の質(Quality of Life: QOL)の向上」に置かれています。これは、病状を管理し、健康だった時と同様の生活を送ることを治療の目標とすることを意味しています。

当クリニックはお仕事をお持ちの患者様のニーズに合わせた治療が可能です

クローン病(CD)の平均発症年齢は24歳で、多くの患者様が仕事をしています。大学病院では、診療が基本的に午前中のみで土曜日は診療を行っていないのが一般的です。そのため、生物学的製剤の治療のために2ヶ月に1回は仕事を休まなければならない状況です。しかし、当クリニックでは患者様の利便性を考え、夕方の診療をおこなっています。これにより、患者様は仕事を休むことなく治療を受けることができます。

クローン病(CD)

クローン病(CD)とは?

クローン病(CD)とは?

クローン病は、大腸や小腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を引きおこす原因不明の病気で、炎症性腸疾患(IBD)という病気のグループに属します。このグループには、クローン病と潰瘍性大腸炎が含まれます。

クローン病(CD)の発見

クローン病(CD)は1932年にニューヨークのマウントサイナイ病院の医師クローンによって初めて報告されました。消化管のどの部分にも発生し得るこの病気は、特に小腸末端部でよく見られます。病変は不連続で、正常な部分と病変が交互にあるのが特徴です。

クローン病(CD)の主な症状は?

  • 腹痛
  • 下痢
  • 血便
  • 体重減少

腹痛や下痢が特徴的で、発熱、下血、腹部腫瘤、体重減少、全身倦怠感、貧血などの症状もみられることがあります。また、瘻孔、狭窄、膿瘍などの腸管合併症や関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変などの腸管外合併症もみられます。

クローン病(CD)の原因は?

現在までに、遺伝的要因、特定の細菌やウイルス感染、食事成分、腸内の血流障害などさまざまな原因がいわれていますが、明確な証拠はまだ解明されていません。最新の研究では、遺伝的素因が背景にあり、食事や腸内細菌に対する免疫系の過剰反応が病気を引きおこす可能性が考えられています。

クローン病(CD)の人は日本ではどのぐらいいる?

日本では、1976年に128人だった患者数が2013年には約40,000人に増加しました。米国では人口10万人あたり約200人がかかると言われている病気で、日本の患者数は欧米の約10分の1ですが、近年増加傾向にあります。

クローン病(CD)はどんな人がかかりやすい?

クローン病は10代~20代の若年者に多く発症し、男性の発症が女性の約2倍です。先進国での発症率が高く、衛生環境や食生活が大きく影響します。喫煙者は非喫煙者より発病リスクが高いとされています。

クローン病(CD)は遺伝しますか?

クローン病は遺伝病ではありませんが、家族内の発症例があると遺伝的要因の関与が考えられます。複数の遺伝子が関連している可能性がありますが、単一の遺伝子による発症ではないとされています。

クローン病(CD)はどのような検査で診断する?

クローン病(CD)はどのような検査で診断する?

症状や血液検査の異常からクローン病(CD)が疑われると、大腸内視鏡検査、小腸造影、上部消化管内視鏡検査などの画像検査をおこない診断されます。潰瘍性大腸炎との判別も重要となります。最近では小腸内視鏡やカプセル内視鏡、MRI、CT、腹部超音波検査も用いられています。

クローン病(CD)と診断されたら・・・

クローン病(CD)の治療法

内科治療が主体で、栄養療法や薬物療法があります。重篤な合併症がある場合は外科治療も必要です。栄養療法には経腸栄養と完全中心静脈栄養があり、病気の活動期には5-アミノサリチル酸、副腎皮質ステロイド、免疫調節薬、抗TNFα製剤をはじめとした各種生物学的製剤、JAK阻害薬などが使用されます。

クローン病(CD)の経過

多くの患者様が一生に一度は手術が必要になりますが、治療の進歩により手術を必要とするケースは減少しています。症状が落ち着いていても病気は進行することがあるため、治療の継続と定期的な検査が重要です。

日常生活での注意点

お腹の調子が良い時でも、動物性脂肪の取りすぎは避けるべきです。定期的な内視鏡検査を受けることで、病気の状態を把握し続けることが大切です。

072-670-1010

WEB予約